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たぬきの花よめ道中

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     蒸し暑い。エアコンをつける。やがて、雨が降り出してきた。散歩も出来ない。こんな日は、「構想を練る」と口実をつけてブラブラ雑用(笑)。

     雑誌「灯台・10月号」に『たぬきの花よめ道中』を紹介した。

     ★『たぬきの花よめ道中』(最上一平・作/町田尚子・絵/岩崎書店・1600円+税)。

     「お立ち合い、お立ちあい……サァ、たいへん」ではじまる。何が大変かというと、タヌキのあさきり姉さんが大都会のタヌキ村へお嫁に行くという。タヌキ一族は人間に化けて山から電車に乗り込む。タヌキにとって大都会は「超へき地」なのだ。すれ違う電車、駅での乗り換え、雑踏の街の中、夜のネオンの灯り、タヌキにとっては驚くことばかり。「どうしてこんなところにお嫁に行くの?」「だって、好きになったんだもの」。レストランに入ると、美味しいものが次つぎと運ばれてくる。タヌキの世界では、食べ物を自分で探さなければならないだけに、何だか不思議な気分。やっとの思いで、あさきり姉さんの嫁入り先へ着いた。案内人のおじさんが、クヌギの小枝をかざし、その下を通ると、再び全員タヌキの姿に戻った。結婚式がはじまった。「お立ちあい、お立合い……愛があれば、どんなことがあっても、だいじょうぶってんだ」で、シャンシャン。

     山奥のタヌキが,ネオン輝く都会へ嫁入りするまでの道中記。発想を180度転換させてみよう。人間目線では、都会は便利で、山奥は不便なところ。しかし、タヌキにとっては、山奥は住みやすく、都会は超辺地なのだ。展開は、タヌキ目線で追っていく。人間は街の中をすたすたと歩いていく。山も川もないのにどうして方向が分かるのだろう。妹は「何で,こんな所へ嫁に行くのだろう?」と疑問を投げかける。姉に「好きになったんだもの」と、さりげなく問いかけさせているが、作者は本書の「発端と結末」に口上を組み込み、『愛があれば、怖いものなし、何ごとも大丈夫』であることを強調させているのだ。哀調を帯びた結婚祝い唄も、読み方次第で作品は盛り上がる。ユーモラスな表現が随所に散りばめられている。例えば「ハンバーグって、どんな具」「ステーキって、どんな木」など、笑わせる。

    現代版「タヌキの嫁入り」である。さらに、町田さんの、人間に化けた目玉のクリクリとしたタヌキの表情の絵が、じつに愛くるしく滑稽で引きつける。(絵本・幼児から)

                        たぬきの花よめ道中

    漆原智良 * - * 17:08 * comments(4) * - * - -

    コメント

    「最上・伴物語」でしょうか。なんとなくそんな感じが。
    Comment by 内田麟太 @ 2018/09/10 6:03 PM
    >内田麟太郎さんへ
     ……だと、思います。FBのコメントにも「&#9836; 愛があれば大丈夫」という歌を思い出したと……。一平さんは、おそらく、これを見ないと思います。ブログもFBもやっていないようなので、ハイ。
    Comment by うるうる @ 2018/09/10 6:15 PM
    こちらは、初めて秋風を感じた1日でした。一平さんは、携帯電話にもお出にならない方の様ですよ。機械に囲まれているより、とても人間らしいと尊敬しています。
    Comment by 絵本の河 @ 2018/09/10 8:22 PM
    >絵本の河さんへ
     小島の4年間を思い出します。「 ♪ 電気もねぇ 水道もねぇ お店もねぇ 医者もいねぇ …… おらあ、この島がすきだ〜〜〜」と、歌いだすたびに、一平さんが浮かんできます。
    Comment by うるうる @ 2018/09/10 9:23 PM
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